株式会社TesTee(以下テスティー)は18から24歳の男女1,575名(男性714名、女性861名)を対象にクレジットカード関する調査を実施しました。
クレジットカードに関わる仕事をしている身としては、若年層はどのようにクレジットカードとか関わっているのか興味があります。
今回は若年層(10代、20代)を調査するアンケートメディアの株式会社TesTee(テスティー)のアンケート調査の結果を元に解説します。
若年層のクレジットカードの利用状況は?
🙂 まずは若年層のクレジットカードの利用率を見てみましょう。
「TesTee(テスティー)調べ:https://www.testee.co」
「クレジットカードを所有しているか」という質問に対しては男性で56.7%、女性で62.5%と約6割が所有していると答えています。
また、「クレジットカードの所有枚数」については「1枚」が最も多く男性で46.3%、女性で49.8%と男女あわせて48.1%と約半数となっています。
裏をかえせば「2枚」以上と複数枚所有している割合が過半数超えているということですね。
枚数が増えるごとに%は下がっていくのですが、5枚以上と答えた人が3.9%もいるのは驚きです。
TPOに応じて使い分けているのでしょうか。
クレジットカード会社が各社それぞれ魅力的な独自のサービスを提供しているということでしょう。
クレジットカードの複数枚所持があたりまえの時代になってきたようですね。
なぜクレジットカードを利用しないのか?
🙂 なぜクレジットカードを利用しないのか?
個人的には一番興味のある項目です。利用しない理由は、そこを改善すればクレジットカードを利用してくれるということだからです。
男性 | 女性 | |||
1位 | 使いすぎが心配 | 49.8% | 使いすぎが心配 | 55.4% |
2位 | 必要性を感じない | 27.5% | 利用金額の管理が難しい | 26.9% |
3位 | 利用金額の管理が難しい | 24.6% | 盗難・紛失が心配 | 22.3% |
「クレジットカードを所有していない」と答えた人に、なぜ利用しないのかを聞くと、男女ともに「使いすぎが心配」が最も多く男性で49.8%、女性で55.4%と約半数が答えています。
また男性の第2位、女性の第3位は「利用金額の管理が難しい」との理由が上がってます。
この2つの理由は根っこの部分は「いくら使ったのかわかりづらい」ということだと思います。
現金なら、手元のお金が減っていくので残りがいくらというのがすぐわかります。
クレジットカードの決済は支払を先送りにするシステムなので、「いつのまにか使いすぎてあとで払えなくなるなるのでは」という不安があるのでしょう。
「自分で限度額を簡単に任意で設定できるようにする」や、「パソコンやスマートフォンのアプリで常にクレジットカードの決済状況を確認できるようにする」等で不安を解消してあげればカードを利用する人が増えそうですね。
どうしてもクレジットカードに抵抗があるという人は、決済と同時に預金から即時に引き落とされる「VISAデビットカード」や「JCBデビットカード」を利用するといいと思います。
🙂 デビットカードについて詳しくは次の記事で解説していますので参考にしてみてくださいね!
どのタイミングでクレジットカードを作るのか
クレジットカードを所有している人を対象に「クレジットカードを初めて作ったタイミング」を聞くと、男女ともに「支払いに必要になったとき」が最も多く3割を超えています。
オンラインショッピング・サービスの利用では、クレジットカードでの決済が当たり前になっているのでその影響が考えられますね。
支払いに必要に なったとき |
銀行口座 開設時 |
ひとり暮らし 開始時 |
親が作って くれた |
大きな買い物 | 旅行 | |
男性 | 1位 | 3位 | 2位 | |||
33.3% | 24.8% | 27.5% | 16.8% | 14.5% | 11.5% | |
女性 | 1位 | 2位 | 3位 | 3位 | ||
34.6% | 19.5% | 14.3% | 12.9% | 9.8% | 14.3% |
「銀行口座開設時」というのは、口座開設時にキャッシュカードを作る際、ついでにクレジットカードの機能を付帯させる人が増えているのだと思います。
キャッシュカードとクレジットカード2枚持つのは不便ですしね。
どうせクレジットカードを持つなら信用のある銀行系クレジットカードとの考えもあります。
銀行としても低金利時代を反映して、収入源としてクレジットカードを以前より積極的に売り込んでいる面もあるのでしょう。
「一人暮らし開始時」というのも携帯電話代・水道光熱費など定期的な支払が増えるのでクレジットカードで決済というケースもありそうです。
クレジットカードで決済すればポイントもついて預金引き落としより得ですしね。
また自社のサービス料金の請求業務をクレジットカード会社に委託することで、「支払はクレジットカードで」というケースが増えてきているのも無関係ではなさそうです。
女性の3位の「旅行」がクレジットカードをつくるキッカケになっているというのは女性ならではの印象を受けます。
海外旅行ではクレジットカードは決済手段として必須ですしね。
初めて作ったクレジットカードは?
🙂 クレジットカードを所持している人を対象に、初めて作ったクレジットカードの種類を聞いた結果が下の表になります。
男性 | 女性 | |||
1位 | 楽天カード | 29.3% | JCBカード | 24.0% |
2位 | JCBカード | 22.5% | 楽天カード | 22.9% |
3位 | 三井住友カード | 15.2% | 三井住友カード | 14.3% |
男女で順位は異なりますが、1位から3位まで同じカードとなっています。
若年者でも作りやすいカードが並んでいますね。
男女共に1位から3位までで全体の6割を超えるシェアを締めているところをみると、3種のクレジットカードの圧倒的な人気がうかがえます。
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学生・新社会人向け三井住友カード デビュープラスの特徴や審査申請基準を解説!
手持ちのカードで最も使用しているクレジットカードは?
「現在最も使用しているクレジットカード」という質問に対して「初めて作ったクレジットカード」と回答した割合は男性で77.0%、女性で79.0%と約8割となってます。
最初に作ったカードがいろいろな支払先として登録されていたり、ポイントが貯まっていたりなどクレジットカードを切り替えるコストを考えると、そのまま使い続けるケースが考えられます。
三井住友カード デビュープラスのように18歳から25歳限定で若年者用のクレジットカードを設定して、カード所有者が歳をとるとランクの高いカードへグレードアップさせることで、カード所有者とクレジットカードが一緒に成長するといったやり方もカードを使い続けてもらうには有効そうですね。
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学生・新社会人向け三井住友カード デビュープラスの特徴や審査申請基準を解説!
メインで使用しているクレジットカードの満足度は?
「最も使用しているクレジットカードの満足度」の項目で「満足している」「少し満足している」を回答した人は、男性で83.2%、女性で82.6%という結果になっています。
男女ともに8割超の人がメインで利用しているカードに満足しているようです。
最近ではカードの複数枚所持も当たり前となっています。
特に何もなければ使い続けても、ガマンしてまで使う必要はないので不満があればメインのカードを切り替えるということが、高い満足感の理由だと思われます。
まとめ
今回「若年層のクレジットカードに関するレポート」について記事を書きましたが、個人的に感じたことは若い世代にもクレジットカードが思ったよりも浸透しているということです。
所有しているクレジットカードは男女ともに1位から3位までで6割を超えたシェアを締めており、思ったより偏っているなと感じました。
若年者のクレジットカード所有者の過半数が複数枚所持という調査結果も、クレジットカードの国内における総発行枚数が2億6,600万枚(2016年3月末)で、成人1人あたり3枚近く所有しているという結果に近くなっています。
ただクレジットカードの稼働率(1年に1回以上使用)は50%あれば採算がとれるといわれている中、大手でも50%前後となっており、1度も使われることもない不採算のカードも多くいかにカードを使ってもらうかという課題があります。
今回の調査結果から、若年者は最初に所有したカードをメインで使い続ける傾向があり、クレジットカード会社は若年者に最初の一枚として魅力的なカードを提供することができるかが今後のカギとなりそうです。
■調査期間:2019年1月18日(金)
■調査項目
<基本情報> クレジットカード利用率/所持数/利用しない理由
<経験者情報> 使用しているカード名/初めて作ったカード名/カード利用理由/満足度