子供の中学進学を控える家庭では、学費問題に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
公立中学・私立中学のどちらに進学するかによって、学費の平均は大きく異なります。
公立中学の授業料は無料ですが、学費が全くかからないわけではありません。
また一般的に、私立中学の学費は公立中学の学費よりも高額となることが多いです。
本記事では、公立中学と私立中学の学費の平均金額を、比較しながら解説します。
家計への負担を軽減できる、「就学援助制度」についても詳しく解説しています。
ぜひ最後まで読んで、中学の学費の準備を進めましょう。
※当記事は2024年現在の情報になります。
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中学の学費の平均(公立・私立)
文部科学省の調査によると、公立中学の年間学費の平均は約54万円。
一方、私立中学の場合は約144万円となり、公立の約2.7倍の負担となっています。
特に私立中学第1学年の学費は、約180万円と高額です。
公立中学と私立中学の学費について、文部科学省の調査をもとにそれぞれ詳しく解説します。
中学の学費の平均(公立・私立)
- 公立中学の学費の平均
- 私立中学の学費の平均
なお、学費には「学校教育費」「学校教育費」「学校外活動費」が含まれます。
参照元:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査』
公立中学の学費の平均
文部科学省の調査結果をもとに、公立中学の平均学費を下記表にまとめました。
平均 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 | |
---|---|---|---|---|
学習費総額 | 538,799 | 531,544 | 443,848 | 640,925 |
学校教育費 | 132,349 | 200,180 | 89,436 | 108,026 |
学校給食費 | 37,670 | 39,737 | 38,306 | 34,984 |
学校外活動費 | 368,780 | 291,627 | 316,106 | 497,915 |
公立中学校は、基本的に授業料が無料です。
しかし、給食費・教材代・修学旅行費などが学費として発生します。
第1学年では、入学時にかかる費用の中で大きな部分を占めるのは制服代と考えられます。
第3学年では、修学旅行費などで学費が約64万円必要です。
公立中学の授業料は無料ですが、それ以外のコストで年間平均約54万円の学費が必要な点も押さえておきましょう。
私立中学の学費の平均
私立中学の学費の平均は、下記表の通りです。
平均 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 | |
---|---|---|---|---|
学習費総額 | 1,436,353 | 1,806,991 | 1,218,559 | 1,278,255 |
学校教育費 | 1,061,350 | 1,441,786 | 856,982 | 879,456 |
学校給食費 | 7,227 | 8,529 | 8,056 | 5,040 |
学校外活動費 | 367,776 | 356,676 | 353,521 | 393,759 |
私立中学の年間学費の平均は、約144万円という結果でした。
私立中学では授業料や入学金が必要なため、公立中学よりも学費の平均が高くなっていると考えられます。
特に入学年度の費用が高く、第1学年の学費の平均は約180万円です。
なお、多くの私立中学では給食制度がないため、給食費が低く抑えられています。
しかし、その分家庭での食材費が増加する点に注意が必要です。
公立・私立中学の学費の平均を比較
公立中学と私立中学を、以下の通り比較表にまとめました。
子供の進学先として、私立中学を検討している家庭は参考にしてください。
学習費総額 | 学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | ||
---|---|---|---|---|---|
公立 | 平均 | 538,799 | 132,349 | 37,670 | 368,780 |
第1学年 | 531,544 | 200,180 | 39,737 | 291,627 | |
第2学年 | 443,848 | 89,436 | 38,306 | 316,106 | |
第3学年 | 640,925 | 108,026 | 34,984 | 497,915 | |
私立 | 平均 | 1,436,353 | 1,061,350 | 7,227 | 367,776 |
第1学年 | 1,806,991 | 1,441,786 | 8,529 | 356,676 | |
第2学年 | 1,218,559 | 856,982 | 8,056 | 353,521 | |
第3学年 | 1,278,255 | 879,456 | 5,040 | 393,759 |
公立中学に進学した場合、月々の学費の平均は約4万5,000円です。
私立中学に進学した場合、月々の学費の平均は約12万円になります。
月額平均と現在の家計状況を比較して、家計への負担をイメージしてみましょう。
参照元:文部科学省『令和3年度子供の学習費調査』
中学の学費は就学援助制度を活用しよう
「就学援助制度」とは、経済的な理由で学費の支払いが困難な家庭を支援する制度です。
制度を適切に活用することで、家計の負担軽減に期待できるでしょう。
就学援助制度について、以下の通り詳しく解説します。
就学援助制度の基本情報
- 就学援助制度の対象者
- 就学援助制度の対象となる項目
- 私立中学への特別補助金について
就学援助制度の対象者
「就学援助制度」とは、経済的に困窮している家庭を対象にした制度です。
主に、生活保護を受けている「要保護者」と、生活保護の受給条件には当てはまらないが経済的困難が認められる「準用保護者」の2つのカテゴリーに分けられます。
所得や世帯人数によって受給資格が異なるので、詳しくは各市区町村の窓口やウェブサイトで確認してみましょう。
就学援助制度の対象となる項目
就学援助制度で支給される項目は、主に以下の通りです。
- 学用品費
- 通学用品費
- 通学費
- 修学旅行費
- 校外活動費など
家計の負担になりやすい、入学時の費用・修学旅行費・学校給食費なども対象に含まれている点が特徴です。
医療費・クラブ活動費・生徒会費・PTA会費なども制度の対象に含まれるため、様々な学校活動のサポートが受けられます。
私立中学への特別補助金について
私立中学に通学する生徒も、自治体によっては「就学援助制度」の対象になることがあります。
横浜市や大田区のように、特定の制度を設けている場所もあります。
具体的な条件や申請方法については、通学している私立中学や各自治体の窓口で確認してください。
中学の学費はいつから・どうやって準備する?
中学の学費を準備するにあたって、早めに資金計画を立てることは大切です。
具体的に、「いつから」「どうやって」中学の学費を準備すればよいのか、順番に解説していきます。
いつから中学の学費を準備し始めるべきか
進学先にもよりますが、中学の学費はなるべく早い段階から準備し始めると良いでしょう。
特に、私立中学への進学を希望する場合、早期からの資金準備と家計の見直しは不可欠です。
塾代も視野に入れ、子供が小学4〜5年生の頃から、段階的に貯蓄計画をスタートさせましょう。
公立中学に進学する場合も、授業料は無料とはいえ、全く学費がかからないわけではありません。
支援制度を活用できない可能性も考慮して、計画的に学費を準備しておきましょう。
早期から準備を始めることで、月々の負担を軽減できます。
また、中学の学費だけでなく、大学入学までの総教育費を見越して計画することも大切です。
早期から学費を準備し始めることで、子供が自由に進学先を選べます。
どれくらい中学の学費を準備すべきか
公立・私立のどちらに進学するかによって、準備すべき教育費の金額が異なります。
子供の選択肢を広げるためにも、教育費は多めに見積もっておくと良いでしょう。
私立中学に進学する場合を想定して、どれくらいの教育費を準備すべきか解説します。
私立中学の年間学費の平均は約144万円のため、月々約12万円の準備が必要です。
中学だけでなく、大学進学も視野に入れると、大学4年間の学費も考慮しなければなりません。
文部科学省の調査によれば、私立大学の初年度の納付金は文系で約118万円、理系で約156万円とされています。
参照元:文部科学省『令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金』
これをもとに、約500万円の準備を目指すのが適切でしょう。
子供が0歳から17歳になるまでに500万円を準備する場合、年間約30万円、月額で2万5,000円程の積み立てが必要です。
児童手当や、幼児教育・保育の無償化による節約分を、教育費のための貯蓄に充てることで、効率的に資金を準備できるでしょう。
中学の学費を確保するおすすめの方法
中学の学費が足りるか不安な人は、以下の方法を試してみてください。
中学の学費を確保するおすすめの方法
- 貯蓄
- 学資保険
- NISA
貯蓄
まずは、堅実に貯蓄することをおすすめします。
児童手当・財形貯蓄・自動積立定期サービスなどを活用して、効率良く貯蓄していきましょう。
勤務先が財形貯蓄を提供している場合、給与から直接貯金ができるため、無理なく資金を積み立てていけます。
財形貯蓄制度を利用できない場合は、給与の先取り貯金がおすすめです。
先取り貯金とは、給与から一定額を先に貯金に回し、残りのお金で1カ月生活することを指します。
学資保険
学資保険は、教育資金を計画的に積み立てる手段の1つとして人気です。
親が万が一の事態に遭遇した際でも、子供の学資は保障されるため、安心感があります。
利回りが低い商品もあるため、将来の教育費に対応しきれない可能性も考慮しておきましょう。
NISA
NISAとは少額非課税制度のことです。
現行NISAは「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類ありますが、2024年1月以降は新NISA制度が始まります。
非課税枠が大幅に拡大し、非課税期間が無期限となる点が、新NISA制度の特徴です。
教育費は先の見える資金なので、元本保証型の商品と組み合わせて、効果的に資産を増やしていく策を考えてみましょう。
中学の学費の準備方法はキッズ・マネー・ステーションで学ぼう
子供の中学の学費をどう準備すべきか悩んでいる人は、キッズ・マネー・ステーションに参加してみましょう。
キッズ・マネー・ステーションは、子供たちと親を対象に、お金やキャリア、消費に関する講座を全国で展開しています。
全国の認定講師が、実際の子育てや教育経験を生かし、効果的な貯金方法・資産形成のノウハウなど、具体的に指導してくれます。
親子での参加を通じて、子供が自分の将来を真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。
また、家計の状況を家族の問題として捉え、節約などに積極的に取り組むようになるケースもあります。
まとめ~中学校の学費を計画的に準備しよう~
中学の学費は、公立と私立で大きな違いがあります。
公立中学の学費の平均は約54万円。
一方、私立中学の場合、学費の平均は約144万円になります。
公立中学は比較的経済的な負担が少ない一方、私立中学は教育内容や施設により学費が高額になる傾向があります。
学費にかかる家計への負担が大きい家庭は、就学援助制度の活用を検討してみましょう。
ただし、就学援助制度を利用するには、一定の要件を満たす必要があります。
自分の家庭が要件を満たしているか、各自治体の窓口やウェブサイトで確認してみてください。
子供が進学先を自由に選べるよう、早めの資金計画を立てることが重要です。
資金計画に不安がある人は、キッズ・マネー・ステーションに参加して、プロのアドバイスを受けてみましょう!