教育費を考える

大学資金が足りないときの対処法!払えないとどうなる?進学を諦めなくてOK!

大学資金が足りないときの対処法!払えないとどうなる?進学を諦めなくてOK!

大学資金が足りないからといって、すぐに入学や進学をあきらめる必要はありません。

貯金だけでは大学資金を賄えなくても、制度や教育ローンを利用すれば、入学や進学が可能になる場合があります。

今回は、大学資金が足りないときの対処法をご紹介。

準備期間が必要な対処法もありますが、今すぐできる対処法もありますよ。

「早く大学資金を用意しないと、退学になってしまう!」と焦っている人も、ぜひ参考にしてください。

このページで分かること

  • 大学資金が足りないときの対処法
  • 大学の入学・進学に必要な資金
  • 大学資金工面のために数年前からできる事前準備
  • 大学資金が足りないと中退・退学になるのか

※当記事は2023年現在の情報になります。

※本ページにはPRが含まれます。

大学資金が足りないときの対処法

大学資金が足りないときの対処法を、準備期間別にご紹介します。

すぐに大学資金が必要な場合

  • すぐにできる対処法
  • 学費の支払いまでに猶予がある場合の対処法

順番に見ていきましょう。

すぐに大学資金が必要な場合

すぐに大学資金が必要な場合の対処法は、おもに以下の3つです。

すぐに大学資金が必要な場合

  • 教育ローンを利用する
  • 祖父母に相談する
  • 大学に相談する

教育ローンを利用する

教育ローンは次の2種類に分けられます。

  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫)
  • 民間の教育ローン

それぞれの違いは、次の通りです。

民間
上限額 350万円まで 約3,000万円まで
借入までの時間 20日程度 最短翌日
金利 やや安い(固定) やや高め

簡単に説明すると、金利が比較的安くて経済的負担が少ないのは国の教育ローン。

金利は高いもののたくさん借りられるのが、民間の教育ローンです。

国の教育ローンは借りられる金額が少ないですが、年収に関する一定条件を満たせば、さらに金利が引き下げられます。

ただ以下の通り、年収に余裕がある家庭は、国の教育ローンを借りることができません。

  • 子ども1人の家庭…世帯年収790万円まで
  • 子ども2人の家庭…世帯年収890万円まで

いっぽう民間の教育ローンは、安定した年収がある家庭ほど借りやすいです。

最短翌日ですぐに借り入れできる業者もあります。

民間の教育ローンは、安定した収入があり、「すぐに借りたい!」という家庭におすすめです。

「収入に不安がある」「借入金額は少なくていいから、返済の負担が少ないローンを選びたい」というご家庭は、国の教育ローンを検討してみてください。

祖父母に相談する

祖父母に経済的な余裕があるなら、大学資金の支援をお願いしてみてもいいでしょう。

なお教育資金の贈与は、「子ども一人あたり1,500万円まで」「子どもが30歳になるまでに使い切る」という条件を満たせば、課税されることがありません。

これを「教育資金贈与非課税制度」といいます。

 

大学に相談する

学費が足りないと分かったら、まずは大学に相談してみましょう。

学費の支払期限を延長してもらえたり、分割払いに対応してもらえたりする場合があります。

相談先は学校によって異なりますが、学生課・会計課・財務課等などです。

大学資金の支払いに猶予が生まれれば、学生ローンや奨学金制度を利用する準備も進めやすくなります。

大学資金の支払いまでに猶予がある場合

大学資金の支払いまでに猶予がある場合は、以下の対処法を検討してみましょう。

猶予がある場合

  • 奨学金を利用する
  • 学校独自の支援制度を利用する
  • 母子家庭・父子家庭向けの制度を利用する

奨学金を利用する

奨学金は大学入学前でも、在籍中でも申し込みできます。

地方自治体や民間企業の奨学金もありますが、多くの大学生が利用しているのは、日本学生支援機構の奨学金です。

ただ日本学生支援機構の奨学金は、受け取れるのが大学入学後となっています。

そのため、入学資金の足しにすることはできません。

また日本学生支援機構の奨学金は、前期の授業料を納める期日までに受け取りが間に合わない可能性もあります。

日本学生支援機構の奨学金の種類
奨学金の種類 特徴
貸与(利息なし) 無利子で借りられる
選考基準は比較的高め
貸与(利息あり) 利息ありで借りる
貸与額は月20,000円~120,000円
給付 返済義務なし
世帯収入が条件以下
給付額は月75,800円まで

日本学生支援機構の奨学金は、利息あり・なしで「借りる」タイプと、返済義務がなく「給付」されるタイプがあります。

無利息で貸与される奨学金は、比較的選考基準が厳しいです。

また返済義務のない奨学金は、世帯収入が少ない(日本学生支援機構の定めた条件以下)家庭のみ給付されます。

多くの学生は、利息ありで貸与される奨学金を利用することになるでしょう。

大学独自の支援制度を利用する

次のような独自の支援制度を設けている大学もあります。

  • 奨学金制度
  • 特待生制度
  • 入学料減免制度
  • 授業料減免制度
  • 授業料徴収猶予制度 など

自分の大学に独自の支援制度がないか、確認してみましょう。

母子家庭・父子家庭向けの制度を利用する

母子家庭・父子家庭では、「母子父子寡婦福祉資金貸付金」が利用できます。

これは必要資金を無担保で借りられる制度です。

大学資金だけではなく、住宅資金や結婚資金も借りられます。

借りられる大学資金

母子父子寡婦福祉資金貸付金のうち、大学資金として借りられるのは、「就学支度資金」や「修学資金」です。

種類 最大借入金額
就学支度資金 国公立大学は42万円
私立大学は59万円
就学支度資金 月額46,000円

ただし、申し込みから受け取りまでに時間がかかる傾向です。

急に借りようと思っても、間に合わない場合があります。

実際に大学資金が必要な数ヶ月前から準備をしておくとよいでしょう。

 

大学の入学・進学に必要な資金はどれくらい?

大学は高校よりもお金がかかります。

私立大学と国立大学で必要な資金を、文部科学省の調査結果をもとに比較していきましょう。

参考:文部科学省 私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

私立大学の初年度学生納付金等の推移
国公私立大学の授業料等の推移

私立大学

授業料 911,716円
初年度入学金 248,813円
施設設備費 180,194円
合計 1,340,723円
4年間在籍 4,616,453円

私立大学は初年度約134万、4年間在籍すると460万円もの費用がかかります。

田舎の中古一戸建てが一軒買えてしまうような学費の高さです。

次にご紹介する国立大学と比較して、倍の大学資金が必要となります。

大学や学部によって違いはありますが、医学部等は上記のデータより、さらにお金がかかる傾向です。

国立大学

授業料 535,800円
初年度入学金 282,000円
合計 817,800円
4年間在籍 2,425,200円

国立大学は初年度だけで約80万円、4年間在籍すると240万円の費用がかかります。

私立大学と比較して、必要な大学資金は半額程度です。

「国立大学はお金がかからない」というイメージだったかもしれませんが、それでも4年間で240万円も必要というのは、かなり負担が大きいですよね。

国立なら貯金が少なくても入学・進学できる、と安易に考えるのは危険です。

交通費や一人暮らしの生活費も考慮しよう

大学生活で必要なのは、学費だけではありません。

次のようなお金も必要です。

  • 大学まで毎日通う定期代
  • 一人暮らし・寮生活の費用
  • サークルの活動費 など

特に地方在住の方は、大学受験の際にかかる交通費・宿泊費なども含めて、入学前から費用をどう工面するか考えておきましょう。

「大学資金が足りない!」と困らないためにできる事前準備

「大学資金が足りない」と直前になって焦らないために、前もって大学への進学を視野に入れて、資金計画を立てておきましょう。

大学資金の事前準備方法

  • 児童手当を貯金しておく
  • 学資保険に加入しておく
  • つみたてNISAを利用する
  • 終身保険に加入しておく
  • 自分でアルバイト・就職して工面する

 

児童手当を貯金しておく

国から支給される児童手当は、その都度すべて使ってしまうのではなく、できるだけ貯金しておきましょう。

もらえる児童手当の金額は、子どもの年齢別に以下の通りです。

  • 3歳未満…月15,000円
  • 3歳以降~15歳に達した最初の3月31日まで…月1万円

児童手当を全額貯金しておけば、合計で200万円は貯まる計算です。

国立大学4年間分の資金を賄えます。

私立大学でも、学費の約半分は児童手当でカバーできますよ。

学資保険に加入しておく

学資保険は子どもの教育費を確保するためのメジャーな方法です。

貯蓄型の保険であり、子どもの入学や進学にあわせてお金を受け取れます。

契約内容やプランによっては、支払った保険料よりも多い教育資金・満期保険金が受け取れる場合も。

契約者である親が亡くなってしまったときは、保険料の支払いが免除されるいっぽうで、予定通りの金額を継続して受け取れます。

 

つみたてNISAを利用する

つみたてNISAとはわかりやすく言うと、非課税で資産運用ができる国の制度です。

本来投資で得た利益には、約20%の税金がかかります。

しかしつみたてNISAの口座から資産運用をおこなえば、一定額まで利益を非課税にできるのです。

つみたてNISAは制度の改良が決まっていて、以前より非課税にできる金額が増え、対象期間も延長されます。

早く始めれば始めるほど、複利の効果を最大限活かせてお得です。

しかもつみたてNISAの対象になっている金融商品は、国の厳しい基準をクリアした投資信託とETFだけ。

「投資はよく分からない」という初心者でも、安定的に資産形成ができるでしょう。

「大学資金が足りない」と焦らないために、子どもが小さな頃からつみたてNISAを始めて、将来に備えるのがおすすめです。

 

自分でアルバイト・就職して工面する

大学に進学する本人がアルバイトをするか、いったん就職して、大学資金を貯めるのもひとつの方法です。

次の3通りの手段が考えられます。

  • 高校生のうちからバイトをする
  • 大学生になってからバイトをする
  • 働きながら大学資金を貯める

高校生のうちからバイトをする

高校生のうちからバイトで大学資金を貯めておけば、大学に進学してからバイトを始めるより、余裕が生まれます。

労働を早くから経験することで、「将来的にどんな仕事がしたいのか」「どんな仕事が自分に合っているのか」と考える助けにもなるでしょう。

ただアルバイトを禁止している高校もあります。

アルバイトをしていると盛んに活動している部活に入れない、勉強に悪影響を及ぼす可能性がある、といった学校生活との両立の難しさもデメリットです。

大学生になってからバイトをする

大学に進学してからアルバイトをするのは、どの学校でもほぼ自由です。

特に地方から上京してきた学生は、親の仕送りだけに頼るのではなく、自分でアルバイトをしてある程度は大学資金や生活費を工面する場合が多くなっています。

しかし、学生の本分はあくまで勉強です。

アルバイトの負担が大きすぎると、本末転倒となってしまいます。

大学に行きながらバイトで稼ぐとしたら、かなり頑張ったとしても、月に10万円以下が現実的でしょう。

夏休みや冬休みにまとめて稼ぐこともできますが、事前に貯めておくことが大切です。

働きながら大学資金を貯める

一旦社会人として就職してお金を貯めてから、大学に進学する人もいます。

一度社会を経験することで、「自分が本当にやりたいことは何か」「本当にお金をかけて大学へ行きたいか」など、冷静に考えられるのがメリットです。

ただ大学に入ったとき周りと年齢差が生じてしまうため、疎外感を感じる・友達を作るのが難しいと感じる可能性はあります。

ご家庭の教育方針にもよりますが、進学する本人に大学資金をすべて負担させるのではなく、親もできる限りサポートする努力をしましょう。

大学資金が足りないと中退・退学になる?

納入期限が過ぎても大学資金を納めなかった場合、退学処分や除籍処分となる可能性があります。

大学資金の納入期限とは、学費を納めなければならない期日のことです。

学期の開始月~翌月である場合が多くなっています。

大学資金の納入期限を過ぎても、すぐに退学になるわけではありません。

しかし督促状が送られてきてから一定期間経過しても、学費が未納の場合、退学や除籍となる場合があります。

大学資金が足りなくて除籍になると印象が悪い

除籍になってしまうと、大学に在籍した履歴そのものが残りません。

せっかく今まで払ってきた学費も、無駄になってしまいます。

履歴書にも「〇〇大学除籍」と書くことになり、「中退」よりも印象が悪くなることは否定できません。

大学資金が足りないかも…と不安なら「キッズ・マネー・ステーション」の講座に参加しよう!

キッズ・マネー・ステーション,ロゴ

キッズ・マネー・ステーションのおすすめポイント

  • 子どもの年齢に合った金融教育が受けられる
  • 金融教育18年の実績・信頼
  • 親子で資産形成について勉強できる
  • オンラインで参加できる

「親だけの努力では大学資金が足りない」「子どもに早いうちからお金について考えさせたい」という人は、「キッズ・マネー・ステーション」の講座に参加してみてください。

お金の大切さや資産形成について、親子で楽しく参加できる講座を開催中です。

中学生や高校生はもちろん、幼児・小学生も参加できます。

子どもの年齢に応じて、必要な金融知識を授けてくれるので、「家庭でどんなお金の教育をすればいいのか分からない」という人にぴったりです。

オンラインで参加できる講座もあります。

大学資金が足りないときは焦らず早めに対策しよう

大学資金を今すぐ工面するには、学生ローンを利用する・祖父母に援助を求めるといった方法があります。

しかし学費を支払う直前に「大学資金が足りない」と気づくと、対策の選択肢が少なくなってしまい、コストの面で不利になる場合が。

納入期限が迫ってきてから慌てるのではなく、できれば数ヶ月前から準備しておきましょう。

まだ大学進学まで何年か猶予があるなら、つみたてNISAや学資保険の利用を検討するのがおすすめです。

-教育費を考える

© 2024 クレジットカードとキャッシュレス